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2016年5月26日木曜日

ラーメン福 小幡店

食べ物は美味しくないし住民の味覚はおかしいし夏は地獄のように蒸し暑いし女の子はかわいくないし、何年住んでも名古屋という土地は好きになれません。俺は三河人とかではなくて、愛知県外、それも名古屋とは縁もゆかりもない地域からはるばるやってきました。できる事ならそろそろ抜け出したいのですが、まあ、そう出来ない事情というものもあるわけなのですね。なかなか思い通りにはいかないのです。
まあしかし、名古屋の食べものがすべてダメっていうわけでもないんですよ。確かに、ラーメンに限らずあの全体的にやたらとしつこくて甘ったるい味付けの傾向はどうしても好きになれませんが、名古屋ならではの食べ物でも、別に甘ったるくないのも中にはあるでしょう。そういうものの中には俺の気に入るものもまあ、ないわけではありません。
この「ラーメン福」も、そうしたものの中の一つであります。俺には「スガキヤ」がどうしても美味しいと思えないので、あんなのがソウルフードだと言う名古屋人のソウル(魂)ってのはいったい如何なるものか、って思ってしまうんですが、この「ラーメン福」ならわかります。特別な味じゃないんだけど、何時食べても飽きないですよね。こういう、日常的で、じわじわ旨い味というのは確かにソウルフードにふさわしいものであると俺は思います。
まあ今更俺が記事にするほどでもないくらい、いろんなところで紹介されていますが、もともとは「ラーメン藤」というお店が、分裂して「藤一番」と「福」になったとのことだそうですね。ほっかほっか亭とほっともっとのようなものでしょうかね?ちょっと違いますか?詳しくは先達方にお譲りします。
俺は「藤一番」はしょうもない典型的な工業ラーメンで食べる価値がないと思っていますが、この「福」はなんとも良い趣を醸し出しているように感じます。大本が一緒なのに、こういう差が出るってのは面白いですね。

めぬ

消費税増税の時に600円に値上がりしてしまいましたが、それでも昨今のやたらとお高くとまっている凡百のラーメン屋に比べたら、良心的なほうなのではないでしょうか。そりゃスガキヤや幸楽苑のほうが安いには違いないけど、あれらはマズいですからねっ。マズいものは、いくら安くても食べる価値がないのです。美味くて安い、それが大衆食であるラーメンの必要条件なのであります。
実は俺、まだ「特製ラーメン」¥800ってのを食べたことがないのです。特性にすると肉の量が増えるだけではなく、肉の種類が変わるのですね。普通の「ラーメン」の肉は、味の染みた薄切りスライス肉なのですが、特製の肉は厚切りのよく煮込まれたチャーシューになるのです。さらに「特製並肉」というのがあって、これは特製と同じ値段で、肉は普通のラーメンと同じ薄切り肉ですが、その量が5倍くらいになるそうです。そっちのほうもそのうち食べてみたいです。
さらに、お値段そのままで、野菜を増やすことができます。というと、東京の人は「ラーメン二郎」を思い浮かべるようですが、二郎のように「ヤサイマシ」と言うと怒られるという説があります。福では「野菜多め」と言わねばなりません。



ラーメン ¥600 野菜多め

どうでしょう。なかなかに圧巻です。確かに「二郎」を彷彿とさせる野菜の盛りですが、しかしこのお店は巷に溢れる凡百の「二郎もどき」系とは全く違い、二郎に影響されたわけではなくて独自にこのスタイルを築きあげたのです。そこらへんは「一兆」と同じですね。そもそも創業昭和52年、今年で38周年だそうですから、その頃に二郎インスパイアなんてものは当然なかったわけですし、二郎の存在自体が東京の一部のローカルなものだったわけですから、影響の受けようがありません。
野菜の内訳は、もやしとネギですね。キャベツは入っていません。このネギがスープに実にマッチし、いいアクセントになっています。そのスープは、薄い醤油色で、白濁してはいません。表層にうっすらと、脂が覆っていますが、昨今の背脂ラーメンのように大量の脂が乗っているわけではなくて、あくまでさりげなく控えめです。いわゆる典型的な「醤油ラーメン」の形相でしょう。
このスープのベースは、トンコツですね。たぶん鶏がらではありません。鶏がらなら、こういう良い意味での獣っぽい香りにはならないでしょう。もっとも、ダシに鶏がらを使い、それとは別に豚脂を用意するという可能性も考えられますが、ラーメンを作っている厨房を見たら寸胴から直接脂の固まりを取り出して振り入れていたので、スープ自体が豚のダシでしょう。要するに、白濁させていないトンコツですね。豚骨でも、強火で長時間煮出さなければ、あの九州ラーメンのように白濁したスープにはなりません。俺はあれが好きなのですが、しかしこういう豚骨の使い方で作った醤油ラーメンも悪くないです。その中間的なものもありますよね、半白濁+醤油という。溝口屋なんかそのタイプだと思いますが、どのタイプもそれぞれにとんこつの奥深さとワイルドさが味わえて良いと思います。
だけど、この味のメインコンテンツは、とんこつではなくてやはり、化学調味料でしょう。とんこつはその化学調味料の味わいを支えるサブの役割に徹しているように思います。普通ならとんこつスープの味を化学調味料が補強するのに、このラーメンはそれが逆になっています。そして、それがまたなんとも言えない庶民的で良い趣を醸しだしているのだから不思議ですね。良い意味でチープな味ということになるのでしょうか。
醤油だれは、薄口醤油を使ったものかなあと最初思いましたが、テーブルに置かれているラーメンたれを直接味わってみたらこれは濃口醤油の味だったので、おそらくタレの使用量を控えめにして、その分化学調味料で補強しているのではないかとおもいます。減塩醤油とかと同じ発想ですね。これもタレ自体には化学調味料が含まれていないようなので、丼で合わせるのではないかと思われます。
麺は、これはまたなかなか弾力があって食べ心地がいい中細麺。昔のラーメンによくある、やたらと柔らかく伸びた麺でもなければ、かん水過多で真っ黄色になってしまった麺でもない。普通に美味しい麺だと思います。量も多すぎず少なすぎず丁度良い。
この味の染みた薄切り肉は、肉の歯ごたえを楽しむというよりも、麺や野菜に絡めて食べるとより味が深くなるという、そういった効果があります。要するにこの肉自体が、一種の調味料なのですね。肉を具としてでなく、あえて調味料のように使うという、逆転の発想が、このラーメンの面白味を増長しているように感じます。ただでさえ充分な量があるのに、これが5倍になった特製並肉というのはどんなものなのか、そのうち食べてみたいと思います。
半分くらい食べたところで、この赤い「スタミナ辛子」というのを入れて食べます。これ自体もなかなか一筋縄ではいかない複雑な味わいがあります。隠し味に、魚介系の素材が使われている?アミの塩辛とか、あるいは魚醤系なのでしょうか。俺は味分析が下手なので違っていたらすいません。俺の好きな食べ方は、このスタミナ辛子を入れて混ぜてしまうのではなく、混ぜずに麺と一緒に口に入れるのです。かなり辛さもダイレクトに来ますがそれがまた良いのです。こうやって食べているうちに自然とスープにも混ざってきます。最初から混ぜてしまうより変化が楽しめて、俺はこの食べ方が気に入っています。

全体として、すべてが丁度いい、のです。
見た目のインパクトとは裏腹に、すっきりとした食べやすい醤油ラーメンです。二郎とは違って、やたらとコッテリしているわけでもなく、やたらと麺の量が多いというわけでもありません。かといって、すっきりし過ぎて物足りなさを感じさせるというようなことは無く、豚脂をさりげなく浮かせたり、化学調味料を上手に使ったりと、万人にもわかりやすく受け入れられるような工夫も施されています。その具合が本当に適度で、「なりたけ」のようにやたらと背脂を盛ったり、「まつ子」のようにやたらと化学調味料を強調したりするわけでもありません。尤も、あれらはあれらで面白いとは思いますが、この「ラーメン福」はそういうアクの強さを巧妙に避けて、万人が美味しいと思えるポイントを突いています。
二郎系ばりの野菜の盛りや、豚骨ならではの獣臭さといった、ラーメンならではのダイナミズムもちゃんと押さえてある。そして、それがさりげないので、他の要素を壊さない。
そして、値段も高すぎず、かといって味を犠牲にするほどまで安価に落とすわけでもなく、これまた丁度良い。
まさに、これこそが大衆食としての「ラーメン」の鑑なんじゃないのか、と思うくらい、バランスがいいのです。

昨今はやたらとたくさんのラーメン屋が生まれては消えゆき、栄枯盛衰が激しいですが、それはおそらく、それぞれの店ながらの特徴を強く打ち出しすぎて、インパクト重視になってしまうからなのではないかと思います。たしかにそういうラーメンは、最初は話題になりますが、インパクトだけでは長続きしない物なのです。
それに比べると、この「ラーメン福」は、すべてが丁度よく、万人に受け入れられるような工夫が施されています。イマドキの店のような際立った特徴はないけれど(とはいっても野菜の盛りはインパクトありますけどね)、いつ食べても、何度食べても期待を裏切らない、クラシカルな味わいになっています。やはり伝統と歴史のある店というのは、それ相応に完成度が高いのですね。

そんなわけで、今日の評価は:★★★★ 4!です。

惜しむらくは、立地なのです。俺的にはこの小幡店が比較的アクセサブルなのですが、それでも藤が丘駅からチャリで行くと30分はゆうにかかります。名鉄瀬戸線を使えばすぐですがそもそも瀬戸線の駅のなかにアクセサブルな駅が無いので俺は使えません。他の店舗も、やたらと港区のほうに固まってたり、マニアックな駅の近くだったり、そもそも近くに駅がなかったりと、なかなか行きづらい場所にあるのです。
こういうお店は、日常に溶け込んでこそ価値がある、という面もあるように思います。わざわざ遠出して行くような店ではありません。アクセサビリティが大事なのです。もちろん、それぞれの地域の地元住民の方にとっては便利なお店となるのでしょうが、俺にとっては、少々使い勝手が悪いお店なのです。このブログは俺のブログなので、俺様基準で判断させてもらいますが、ちょっとアクセサビリティに難がある、といわざるを得ません。せめて地下鉄東山線沿いに一軒、できるといいのですがね。


ラーメン福 小幡店
愛知県名古屋市守山区大谷町14-5
11:00~23:00 通し営業
定休日:火曜日

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