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2016年10月25日火曜日

ラーメン 昭和

昔、そうですね、2001~2年頃でしょうか、このお店が大好きで、大勢の仲間と一緒にちょくちょく通っていたものです。当時は本郷亭と、あとはこの「昭和」が名古屋ラーメン界での筆頭格だったわけで、ものすごい行列が出来て、長い時間待たされることも屡でした。大勢の仲間で行ったので、待ってる間も話してればすぐなわけで、特に並ぶのも苦痛ではなかったのですね。
その仲間も、今はもう名古屋に居なかったり、もしくは結婚したりして、しかもその結婚相手がラーメン苦手だったりして、結局あの頃に比べると、現在では一緒にラーメンを食べに行く仲間がぐんと減ってしまったわけです。これも時の流れと申しましょうか、なんとも寂しい話であります。まあ結婚なんて別に勝手にしてりゃいいと思いますが、なんでわざわざラーメン苦手な相手と結婚するかなあ。そこはラーメンを優先すべきでしょ。もしくは結婚相手も洗脳してラーメン好きにさせてしまうとか。ところが情けないことにそいつは、相手を洗脳するどころか、相手に洗脳されて炭水化物制限ダイエットなんかやり始めやがる始末。人間、こうも軟弱になったらおしまいですね。俺は絶対に、そんな軟弱な精神には陥らないように気をつけたいと思います。
まあともかく、2005年だかにセントレア空港に出店するちょっと前あたりからこの店、おかしくなってしまったのですね。たしかその頃に経営者が変わったとか。それで経営方針もがらっと変わってしまって、要するに今で言う一番軒みたいな感じになっちゃったんですね。(余談ですが一番軒も以前はかなり美味かったんですよ。は最悪ですが。)
当然味もがらっと変わってしまって、なんだかそうめんをゆですぎたみたいなへなちょこな麺に、カップ麺みたいなスープ。そういえば十勝製麺からカップ麺化されたのもその時期ですね。やっぱり、ラーメンってのはこうビジネスに走るととたんにダメになるんですよ。どうしてそれわかっててみんなビジネスに走るかなあ。自分で自分の首を絞めているというのがわからないのかね。
てなわけで、そのセントレアも失敗で撤退、本店も2011年に閉店と、まあそこまで続いてたのが不思議なくらいでしたね。そんなわけで、2012年に現在の場所に変わり営業再開したときにも、あまり期待を持ってなかったのですが、大分後になってから、「味が戻ってる」という噂を耳にして食べてみたらこれが、滅法旨い。たしかに、これなら、以前の味にも劣らないと思いますね。尤も、細かい部分で以前とはだいぶ違っているようにも思います。が、だからといって、以前より悪いというわけではありません。これはこれで、前とは違うけども、充分に美味しいラーメンだと言えるでしょう。
一応住所のある場所に店を構えていますが、ラーメンを作ってるのはこんな感じの、屋台風の小さな部屋で、お客はまた屋台っぽく屋外のビニールシートで囲まれた空間か、もしくはカウンターだけがある簡素な建物の中で食べることになります。やっぱり屋外の席が雰囲気もあっていいのですが、今回は満員だったので建物の中にしました。



ラーメン ¥700

いやあ、はっはっは。これはまた、なんという美味さなのだろうっ!!
前に食べたのって、再開後ではあったけどももう3年くらい前なんですよね。その時も美味いと思ったけど、今日のはそれと比べても一段と、美味しくなってる気がするぞ。素晴らしいっ!
いわゆる豚骨醤油ラーメンなのだが、最近遅まきながら流行っている横浜家系とは全然違っていて、どっちかというと和歌山ラーメンの井出系に近い味といえるでしょう。尤も、俺は和歌山でラーメン食べたことがなくて、千種のまっち棒でしか食べたことないんだけど、まっち棒のあれよりもこっちの昭和のほうがずーっと美味いから、和歌山ラーメンに喩えるのはあまり適切ではないのかもしれません。
見た目いかにも黄色っぽく泡立っていて、醤油よりもとんこつのほうが全面に出ていそうな印象を受けますが、これは要するに、豚の美味し~い油が非常に細かく粒子状になって表面を覆っているからであって、レンゲですくうと、かなり醤油っ黒いスープが下から現われます。このスープを飲むと、丹念に火を入れられたであろう醤油ダレの、香ばしくもきりっとカドが立った強い味わいと共に、とんこつスープ独特のあのなんともいえない、まるで宙に浮かんだような、ふわっ!とした多幸感が身体全体に満たされる。これこれ、これですよっ!まさに、舌で味わうのみでなく、身体全体に染み入るスープ。
俺が白濁とんこつスープを好きなのは、このふわっ!とした一種麻薬的な感覚が味わえるからである。この不思議な多幸感は、とんこつスープ以外では決して味わえないし、かといって全てのとんこつスープで味わえるわけでもないのである。名古屋で言えば、とんぱーれ一陽軒、閉店しちゃったけどひかり、あるいは以前のしげ家だいけん時代の女子らけ、そしてこの昭和くらいか。あるいは大垣の我一豚も、それに近い感覚を味わえる。そういえばラーメンまつりの無鉄砲も、簡易キットのくせにこのふわっ!と感を見事に表現していた。
この感覚をこそ楽しみたくて、俺はラーメンを日々、食らうのである。だから俺は基本、とんこつにしか興味がないのである。いくら味そのものが上等だとしても、紫陽花とか玉ぐすくとか、ああいう非白濁薄味系のラーメンではこの麻薬的感覚を味わえないに違いない。
この、ふわっ!とした多幸感、としか俺の残念な文章力では表現できないけど、この感じって、いったい何によってもたらされるものなのだろうか?豚骨のダシの強さ?それともアブラ?はたまた、化学調味料?どれもしっくりこないのだ。確かに、濃厚なとんこつってのはいろいろあるけれども、でも県下一濃厚だと思われる大岩亭の特豚では味わえなかったし、また鶴亀太幸なんかでも味わえない。アブラについても、例えばなりたけのギタギタとか、二郎のアブラマシマシとか、たしかにそれはそれで中毒性はあるけども、でもまたこのふわっとした感覚とは違うんだよなあ。化学調味料だって、うま屋リンガーハットには大量に入ってるけど、だからといってこんなにふわっとした多幸的な感じにはならない。
結局、何によってラーメンがこう、ふわっとした多幸感に満たされるのか、未だに原理がつかめないのである。もしその原理さえ掴めるのなら、ひょっとしたら自分自身でこのような多幸感のあるラーメンを作れるのじゃないかとも思うのだが。
要するに、濃厚な豚骨ダシと、副原料と、それに調度良い味わいと分量のタレ、良質のアブラ、それに、適度な量の化学調味料、それらがガッシリとお互いの肩を掴みあっているような、そのような絶妙なバランスのポイントを見つけ出す、という以外に方法はないような気もする。そして、それを掴むには、やたらと濃いだけじゃだめだし、アブラが多けりゃいいってもんでもないし、もちろん少なくてはだめだし、化学調味料も全くナシではダメなのだろう。それらのバランスの本当に微妙な、狭いポイントを見つけなけりゃならない。そういうことなんじゃないかなあ、と、今のところはそんな月並みな結論しか出せない。
でも、この感覚は、明らかに他のラーメンとは違っている。もしかしたらそういうバランスとかの問題じゃなくて、決定的な「何か」があるのかもしれない。それは何かの物質かもしれないし、それとも何かの方法論かもしれない。でも、それが何かは、わからない。少なくとも俺の乏しい知識と経験ではね。

とにかく、このスープと、そしてタレとの絶妙なバランスは、このふわっ!とした、とんこつならではの多幸感をもたらすのだ。
この醤油ダレ、かなり味が濃い。通常ならあまりにタレの味が濃すぎる場合、豚骨ダシの良さを殺してしまうことが多いのだが、この昭和ラーメンの場合、全く豚骨の味わいを消してしまうことがなく、それどころか、この強靭な醤油の風味によってこそ、スープが支えられているという趣すらある。おそらく丹念に火入れされているのであろう。巷に溢れる醤油ダレと違って、鼻に抜ける香りが香ばしい。おそらく、火入れするときに、わずかに焦がされるのが、味わいの強さを一層際立たせているのだろう。塩っ辛さも相当なのだが、それでも味の深さのほうが印象に残るというのは、この素敵な香ばしさによるところが大きいに違いない。この醤油ダレの味の濃さは、以前には無かった、再開後ならではの良さと言えるかもしれない。
以前と違うといえば、麺もだいぶ違うような気がする。前はもっと加水率高めでもちもちしていて、もうちょい太くてもうちょい縮れが強かった気がする。といっても本当に昔の記憶だから合ってるかはわからないけど。でも、今回の麺も悪くはない。小麦っぽさが出て、食感も結構固めだ。尤も、スープとの相性は昔の麺のほうが良かったような気がする。でもまあこれは好みそれぞれでしょう。
チャーシューは典型的な薄切りのものだが、この脂分がまた適度に溶け出て、スープに広がりを与えているのは昔と同様。
メンマが、これは前と違うかな?最近流行りの、コリコリした食感のものになっている。これは素材をグレードアップさせたんだろうなあ。以前の味をちゃんと踏襲した上で部分をグレードアップさせる、っていう姿勢は本当に素晴らしい。ラーメン屋はこうでなくちゃ。間違ってもチェーン展開とか空港に出店みたいなビジネスに走っちゃあいけないよ。特に、ああいう空港やビルヂングみたいな施設に多店舗進出するなら誰でも作りやすいように調理方法を合理化するしかない。だけど合理化するために不味くしちゃあ、待っているのは破滅だからね。その意味では、この「ラーメン昭和」、まさに再開後にはラーメン屋の正道に立ち戻った、という感がある。素晴らしい。Bravo!!

昔懐かしい味、だとか、はたまた昔とは違う、だとかいろいろ言われてるけど、俺はこれ、以前の美味しかった時代の味を取り戻した上で、それを踏まえつつ細部で改良している、という風に感じました。その改良した部分は、所々、好みが分かれるという部分はあるにしても、決して全体として、以前より劣っているということは無いと感じます。明らかに劣っているのは、値段ですね。以前はたしかラーメン¥600だったような気が。まあ世間のラーメン全体がインフレを起こしているので仕方が無い面もあるのかもしれませんが、しかしこの店に限らず、ちょっと値上がりしすぎだろ?って思うのです。
だって、俺らがもらえるお金は一向に増えず、払うお金ばっかりが増えるわけですからね。ちょっとここ7、8年ほど、なにかがおかしくなっているような気がします。未だにリーマンショックの影響って引きずっているのでしょうか?俺は経済のことはホントに全然わかりませんが、どうしてこうなってるのでしょうか。お詳しい方、ぜひともご教示願いたいところです。
また話が横道にそれてしまいました。まあ、てなわけで、


今日の評価は:★★★★★★★ 7!!!!!!!です!


巷ではイロドリやら生るやら、あるいは紫陽花とか鉢なんたらとかの最新ラーメンが流行ってますね。かと思えば、戦後からやってる店だとか地元密着型の店だとか、いわゆるノスタルジックラーメンを発掘するのに夢中な人たちも居ます。もちろん、どちらも結構なことだと思います。
ですが俺は、そのどちらでもなく、この「昭和」のような、昔、といってもたかだか10年~20年くらい前からやってて、地道に堅実に今でも営業を続けている、こういうお店こそを大事にしたいと思うのです。思えば、とんぱーれもそうですよね。こういうお店は、地味ながら確実に、名古屋の根っからのラーメン好きな人たちを幸せにしつづけているのです。


ラーメン 昭和
愛知県名古屋市天白区島田3-806
火~金曜日 18:00~24:00
土曜日 11:30~14:00、18:00~24:00
定休日:日曜、月曜


7 件のコメント:

  1. 激しく同意です
    昭和美味しいですよね
    自分も麺が以前と違うと思いました
    あと前はねぎがざるに入っていて食べ放題みたいな感じでしたね
    昭和は名古屋では数少ない美味しい店ですね

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    1. >匿名さん
      そう!ネギ入れ放題だったよね!あれも良かった。
      うま屋よりもよっぽど、ネギが合うラーメンなので、入れ放題復活したら嬉しいなあとは思うのですが、なかなかコスト的に厳しいのでしょうか?
      しかし昭和の良さをわかってくれる人が居てよかったです。こういう昔からある店ってどうしても地味な存在になってしまいがちですからね。

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  2. 昭和は大学時代はちょくちょく行ってたなぁ。最近は季節に一回くらいだけどw
    この近くにあったとん康って豚骨ラーメン屋にめっちゃ通ってた。
    ワンコインで替え玉100円で旨かった。いまだに忘れられんわ・・・
    まぁそれはともかく昭和は復活してちゃんと味が良くなったよね。
    ここみたいに美味しくなって値上げならまだ納得できるんだよね。
    世間には明らかに材料の質を落としていきながら値上げする糞みてーな店が多すぎるわ。

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    1. >匿名さん
      とん康、食べてみたかったなー。当時は他の店、ノーチェックだったからなあ。悔やまれる。
      そうそう、値上げしちゃったけど、でも味がちゃんと以前のように旨いからまあ、いいかなって感じですね。でもしかし、ラーメンの値段だけなぜこうも急激に上がるのでしょうかね。物価が上がるのは仕方ないのかもしれませんけど、ラーメンだけ群を抜いて勢いが早いですよね。

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  3. 昭和で検索してやってきました。
    私も1999年~2001年くらいまで帰省したら塩釜口まで食べに行ってましたが、その後の経緯は存じ上げませんでした。
    昭和でもうひとつ思い出すのは全く別のお店で通称「昭和高らーめん」と言われてた店ですが、まだあるのでしょうか?

    もう何年も帰省するのは年末年始だけになり、名古屋のラーメン屋はどこも休日で縁がありません。

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    1. >パディさん

      それはありがとうございます。
      昭和高ラーメン、というのは、鳳凰のことでしょうかね。
      http://www.tcp-ip.or.jp/~kmoris/ramen/houou.html
      昭和ラーメン、はこの鳳凰の弟さんがやってる店なんだそうです。
      鳳凰、自分は一度だけ行った事がありますがなんだかやたらとしょっぱいだけで全然美味しくありませんでした。もうだいぶ昔(たぶん2002~3年くらい)に潰れちゃいました。まあ、あれは仕方ない。
      名古屋のラーメン屋は昔とずいぶん変わってしまいましたよ。伝説の大丸ももう閉店して久しいです。現在は、他地域の劣化版みたいになっちゃって面白みはあまりありません。

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  4. ご回答ありがとうございます。
    やはり鳳凰潰れましたか。
    今池の大丸はついに縁がなく幻の味となりました。
    でも同じソウルフードと言われた川名の「まるはち」に90年代に行けたことがせめてもの慰みです。
    今池といえば老舗の呑み助で重油ラーメンよりもタマネギ餃子が大好きで、いまだに他で同じ味にはお目にかかりません。
    そういや好来系とかも最近聞かなくなりました。
    いまは関東では名古屋ラーメン=台湾ラーメンなんです。
    コンビニでのカップ麺の影響もありますが、商業的な匂いがプンプンしてなんだかなという感じです。
    台湾ラーメンといえば有名な味仙は行ったことありません。
    本山にあったゆきちゃんは実家に近いので少しだけ行きましたが辛いの苦手だったので結局うまいか不味いかわかりませんでした(笑)
    今は自分の正月休みが短いので帰省してもラーメンにありつけそうにありません。

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